おやきは、信州を代表する本当に素晴らしい郷土料理だと思っています。
昔からこの土地で親しまれてきて、
素朴で、やさしくて、どこか懐かしい味。

でも正直に言うと、
今の若い世代には、あまり食べられていないのでは…と感じていました。
実際、私自身の子どもたちも、
「おやき」が特別好きというわけではなかったんです。
それが、なんだかとても残念で。
こんなに美味しくて、こんなに良い食文化なのに、
このまま忘れられてしまうのは、もったいないな、と。
それなら――
子どもでも食べやすいおやきを作ってみよう。
そう思ったのが、ひとくちおやきの始まりでした。
大きなおやきではなく、
一口でぱくっと食べられるサイズ。
具材も、野沢菜や味噌だけでなく、
チーズやカスタードクリームなど、今の食卓に合う味にして。
「これなら、うちの子も食べるかも」
そんな気持ちで、試作を重ねていきました。

せっかく作るなら、
松本のお土産として、全国の方にも食べてもらいたい。
そう思い、できるだけ地元の素材を使いながら、
“信州らしさ”も一緒に包み込むようにしています。

【松本市奈川中学校の皆さんの活動から奈川産そば粉’(さなご)を使用】
ひとくちおやきは、
伝統を大切にしながら、
次の世代へつなぐための、小さな挑戦です。
